歯の中心部には、歯髄という層があります。
歯髄は、神経や血管などが集まっている非常に重要な組織ですが、虫歯の原因菌に感染すると炎症を起こし、歯髄が死んでしまうことがあります。
壊死したまま放置していると歯髄は腐るため、感染根管治療が必要です。
感染根管治療について、解説します。
感染根管治療とは?
歯の構造は、もっとも外側にあるエナメル質、次にある象牙質、中心部にある歯髄という3つの層に分かれています。
虫歯になった時、まずはもっとも外側のエナメル質に感染し、放置している間に象牙質、歯髄と順に虫歯の原因菌が進んでいきます。
歯髄まで感染すると抜髄という治療を行い、歯髄を除去しなければなりません。
抜髄をせず放置していると歯髄炎が起こり、歯髄は徐々に壊死してしまい徐々に腐り始めます。
歯髄が腐敗すると、感染根管となって神経も死んでしまい、痛みも感じなくなってしまいます。
この時、「痛みがなくなった」と安心する人もいるでしょう。
しかし、さらに悪化すると歯根の先端に膿が溜まって歯槽骨を溶かしていく、根尖性歯周炎になってしまうため、治療の必要があります。
膿が溜まると、単に膿を吸い出すだけでは治りません。
感染根管治療を行い、歯髄や歯根と一緒に周囲の膿や根管内の清掃も同時に行う必要があるのです。
感染根管治療が必要な症状
感染根管治療を行うのは、感染根管という症状が出ているときです。
感染根管になると、治療するまでの間歯根の先に膿が溜まった状態となり、骨をどんどんと溶かしていきます。
歯根の先端に膿が溜まっている状態を慢性期といい、感染根管治療を始めてからは腫れや痛みが生じる急性期になります。
慢性期と急性期の症状について、比較してみましょう。
普段から痛みが生じることが多いのは、急性期です。
何もしていないのに、急に激しい痛みが生じることがあるのも急性期の特徴です。
慢性期は痛みが少ないのですが、疲れているときなどに鈍い痛みが起こることもあります。
慢性期の場合、歯肉が腫れてつぶれるということを繰り返すことがあります。
しかし、急性期の場合は歯肉だけではなく、首元や目の下も腫れてしまうことがあるので、注意しましょう。
急性期の方が症状は激しいのですが、慢性期の場合も歯肉に細かな穴が開き、膿が出てくることがあります。
また、噛んだ時に痛みがあるかもしれません。
まとめ
歯髄が壊死して腐敗し、根管に汚れが溜まる症状を感染根管といいます。
感染根管になると、歯根の先に膿が溜まるなど重症化することが多いため、感染根管治療を受けて徹底的に治療しなければなりません。
感染根管には慢性期と急性期があり、痛みは急性期の方が強く慢性期は膿が出やすいなどの違いがあります。
しかし、どちらにしても早急な治療が必要です。