根管治療を行った後は、根管に薬剤を詰める根管充填を行います。
根管充填には主に側方加圧充填法と垂直加圧充填法という2つの方法がありますが、どのような違いがあるのでしょうか?
また、どのように使い分けられるのでしょうか?
根管充填の方法の違いについて、解説します。
側方加圧充填法とは?
根管治療で根管を洗浄・消毒した後は、根管に細菌などが進入しないように根管充填材というものを詰め込み、隙間を作らないようにします。
根管充填材には、液体糊のような流動性のあるものとガッタパーチャという固形のものがあります。
固形であるガッタパーチャを充填する方法が2種類に分かれているのです。
側方加圧充填法は、棒状のガッタパーチャにシーラーという接着剤をつけて根管へと詰め込み、隙間にスプレッターという器具を入れて横への圧力をかけていくという方法です。
日本において、主流となっています。
横向きに圧力をかけると根管に隙間ができるため、できた隙間に最初のものより細いガッタパーチャを挿入して、再び圧力をかけます。
再び隙間を作って詰めるというのを何度か繰り返し、どうやってももう入らないという状態になるまで繰り返していくのです。
根管内が埋まったら、はみ出している部分をヒートプラガーという熱を発する器具で切断し、熱がない状態でガッタパーチャを上から押し込んでいくことで、根管充填は完了します。
垂直加圧充填法とは?
垂直加圧充填法は、ガッタパーチャを根管に詰め込んだらそのまま上から押し込んでいくという方法です。
ガッタパーチャは熱を加えると柔らかくなるため、熱して押し込み流動性を高めて隙間なく埋まるようにします。
垂直加圧充填法には、オピアン法やCWCT法、K.SRCT法などいくつかの方法がありますが、特にアメリカで用いられているのはCWCT法です。
したがって、米国式根管治療といえば一般的にはCWCT法を指します。
垂直加圧充填法は、熱で柔らかくして詰め込み、冷えた時に固まるため、隙間などを埋めやすく根の先がほぼ確実に閉鎖されるという点がメリットです。
しかし、側方加圧充填法でもヒートプラガーで最後に熱するため、隙間は十分に埋まるでしょう。
まとめ
根管充填の方法は、長い年月をかけて変化しています。
かつては採用されていた方法も、その欠点を踏まえてさらに改良していくことで、より確実に根尖孔を埋めて細菌の侵入も防ぐことができるようになっているのです。
オピアン法も、かつては主流でしたが今は廃れています。
代わりに、良いところを残した方法が生み出されているのです。
歯科医院によって根管充填の方法は異なるため、事前に確認してみてください。