根管治療は、一気に治療をするのではなく段階的に行っていきます。
最初に行うのは虫歯の原因菌に感染している箇所の除去ですが、除去を終えた後は根管内の洗浄・消毒を行います。
洗浄・消毒はどのように行うのでしょうか?
具体的な治療内容について、解説します。
洗浄・消毒はなぜ必要か
歯は、外側からエナメル質、象牙質、歯髄という3つの層に分かれています。
このうち、エナメル質や象牙質に感染している場合は感染箇所を削り取るという治療方法が一般的です。
根管治療が必要となるのは、歯髄に感染してしまった場合です。
歯髄が虫歯菌に感染している状態では、神経の通り道である根管の内部にも虫歯菌が侵入しているため、根管内の歯髄も除去しなくてはなりません。
抜髄によって神経も除去されるため、根管は空洞になっているか死んだ神経だけが残った状態となっています。
細菌に抵抗するための免疫も、歯髄に含まれる血管を通じて得られますが、抜髄すると血管も除去されるため、免疫を得られなくなります。
服用薬に含まれている成分も、血管がなければ届きません。
よって、根管の中にいる細菌を除去するには、外部からの物理的な方法が必要となるのです。
洗浄して汚れを洗い流し、落としきれなかった細菌を消毒で除去することで、根管内がきれいになります。
洗浄・消毒の方法
根管内を洗浄・消毒する際は、具体的にどのような方法で行うのでしょうか?
無理な力を加えると、根管や歯を痛めることになるため、細心の注意を払って行わなければなりません。
まず、根管内の消毒は専用の薬剤を使用して行います。
消毒の際は、根管内に細菌が侵入するのを防ぐとともに薬剤が口内にこぼれるのを防ぐために、ラバーダム防湿を行った方がいいでしょう。
根管治療を行う際は、一度に行うのではなく複数回に分けて行うケースが多いのですが、治療を中断せざるを得ない場合などは、根管に消毒薬を封入しておくなど細菌の増殖を防止する処置を行わなくてはいけません。
まとめ
根管治療では、抜髄といって歯髄を除去する治療を行いますが、抜髄後に残った歯髄などを徹底的に除去するため、洗浄・消毒を行う必要があります。
感染した歯髄が少しでも残っていると、膿が出る原因になったり他の歯に感染したりするため、残さず除去しなければなりません。
消毒薬などはいくつかの種類があるため、苦手なものがあれば事前に相談しておきましょう。
治療を中断する際の処置もあるので、中断する場合も相談してください。