口を開けた時に突然音が鳴ったら、たいていの人は驚くのではないでしょうか。
音が鳴るのは顎関節症の症状の一つです。
歯科医院を受診するべきですが、歯科医院の中でも口腔外科が最適です。
ただ、治療を受けるにあたり、顎関節症の治療内容についてよく知らない人も多いでしょう。
顎関節症の症状と、治療内容について解説します。
顎関節症とは?
口を開けた時に、顎の関節から耳にしたことのない音が鳴ったら誰しも驚くでしょう。
顎が痛い、口を開けづらい、痛くて口を開けられない、噛みづらい、口を開閉すると音が鳴る、という症状が1つ以上ある場合は、顎関節症が疑われます。
顎関節症は、日本人の2人に1人が一生に一度は経験するほどの身近な病気です。
しかし、実際に治療を受ける必要があるのは、症状を自覚した人の中でも10%以下といわれています。
顎関節症で口腔外科を受診する患者は男性よりも女性が多く、10代後半から増えて20~30代でピークとなり、以降は年齢が上がるほど受診する患者が減少します。
症状が軽ければ治療しなくても自然と改善されますが、症状が重く日常生活に不具合がある場合には、治療を受けて改善しなければなりません。
痛みや口が開けにくいといった症状があるなら、早めに口腔外科で治療を受けましょう。
顎関節症の治療内容
顎関節症の治療に際し、まずは安静にするよう医師から指示されます。
「安静に」というのは、風邪やインフルエンザにかかった時のように、寝ることを意味しているのではありません。
具体的には、食事は硬い食べ物を避け、顎の力を抜きリラックスすることを指しています。
ほかに、顎の周囲やこめかみをマッサージするのも、効果的です。
痛みが強ければ、非ステロイド系の鎮痛剤が投与されます。
就寝中の歯ぎしりや食いしばりなどがある人は、就寝前にスプリントやマウスピース、ナイトガードといった装置を口腔内に装着します。
これらを装着するのは、顎のずれを修正することが目的です。
スプリントやマウスピース、ナイトガードを装着しても改善しないのであれば、口の周囲の筋に直接ボトックスを注射して筋を弛緩させることもあります。
ほかに、姿勢や生活習慣の改善を指導することもあります。
頬杖をつく、仕事でパソコンを長時間使用するなど、人によっては当たり前の生活習慣が顎関節症の要因になるので、気づいたら自分で改善することが大切です。
生活習慣が改善されなければ、顎関節症が治療で改善されたとしてもすぐに再発します。
口腔外科で顎関節症の治療を行いますが、顎関節症で手術が必要な場合はまれで、全体の約1%ほどです。
したがって、顎関節症の治療のため口腔外科を受診したからといって、必ずしも手術をするわけではありません。
顎関節症の疑いがあれば、早急に口腔外科を受診して下さい。
まとめ
顎関節症は日本人の2人に1人が、一生に一度は経験するほどの身近な病気です。
軽症であれば自然治癒しますが、症状が進行した場合には口腔外科で治療しなければなりません。
安静にし、顎に負担をかけない食事やマッサージ、顎をリラックスさせるなどの治療を行います。
症状が進行している場合には、スプリントやマウスピース、ナイトガードを装着して症状を改善する必要があります。