自由診療で作製できる部分入れ歯にはさまざまな種類がありますが、その一つにノンクラスプデンチャーがあります。
ノンクラスプデンチャーとは部分入れです。
しかし、大抵の人は、ノンクラスプデンチャーがどのような部分入れ歯かわからないでしょう。
ノンクラスプデンチャーの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
ノンクラスプデンチャーの特徴
ノンクラスプデンチャーとは留め金がない部分入れ歯で、土台部分に柔軟で透明感のある特殊な素材が使用されています。
「ノン」は「ない」、「クラスプ」は「留め金」という意味であり、デンチャーとは入れ歯や義歯のことです。
ノンクラスプデンチャーには留め金がなく、歯茎の色と非常に近い色調で馴染みやすいという特長があります。
自然な見た目に仕上げることが可能な審美性の高い部分入れ歯です。
そのため、ノンクラスプデンチャーは、周囲に部分入れ歯をつけていることを知られたくない方に向いています。
ノンクラスプデンチャーのメリットとデメリット
部分入れ歯を作る時に、ノンクラスプデンチャーにしようか悩む人もいるでしょう。
検討にあたり、ノンクラスプデンチャーの特徴を知ることは大切です。
ノンクラスプデンチャーのメリットとデメリットを解説するので、部分入れ歯を作る際の参考にしてください。
ノンクラスプデンチャーの大きなメリットとして、前述したとおり審美性が高いことが挙げられます。
留め具がないため、会話をするときも目立ちません。
また、軽く弾力性の高い素材を使用しているため割れにくく、薄く作製することができ、口に入れたときの違和感が少ないというメリットもあります。
自由診療ですが、金属床義歯と比較すると安価で作製できることもメリットです。
一方、ノンクラスプデンチャーのデメリットとして、作り直しの必要がある点が挙げられます。
ノンクラスプデンチャーは寿命が短く、使用する素材などにもよりますが、平均で2年から3年で作り直さなければなりません。
同じ自由診療の金属床義歯の場合、寿命は10年ほどです。
金属床義歯は高価ですが寿命は長く、ノンクラスプデンチャーは金属床義歯より安価ですが寿命が短いので、どちらがいいのかよく検討する必要があります。
また、欠損した歯の本数や部分により適用できないケースがあることもデメリットです。
最低でも3本から4本程度の歯が残っていなければ、適用できません。
また、ノンクラスプデンチャーは歯の出っ張りに引っかけることで固定しますが、歯の出っ張りが少なければ固定できないため適用されません。
まとめ
自由診療の入れ歯にはさまざまなものがあります。
中でもノンクラスプデンチャーは、金属床義歯より安価に作製できる入れ歯です。
留め金がなく目立たないため、部分入れ歯をつけていること知られたくない人に向いています。
しかし、寿命が短く平均で2年から3年で作り直す必要があることに注意が必要です。
欠損した歯の本数や部分により適用できないケースもあるので、ノンクラスプデンチャーが使用できるのか歯科医師の判断を仰ぎましょう。