入れ歯を作製する際は、保険診療のレジン床だけではなく自由診療の金属床義歯も選ぶことができます。
しかし、金属床義歯はどの部分が金属なのか、使用されている金属の種類が何なのかなど、疑問に思う人もいるでしょう。
金属床義歯の特徴やメリット・デメリットについて、解説します。
金属床義歯の特徴
金属床義歯とは、粘膜に触れる土台部分が金属で作られた入れ歯です。
一般的なレジン床義歯とは違い、薄く強度のある金属を使用するため、口内に入れている時や咀嚼時の違和感や負担が少ないことが特徴です。
金属床義歯の大きな特徴として、食事が楽しめるようになることが挙げられます。
なぜなら、金属床義歯は熱伝導率が高いため、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく感じられるからです。
保険診療の入れ歯であるレジン床義歯は、薄く作製することができないため、温度を感じにくいことが欠点です。
温度を感じにくいため、食事をしても美味しいと感じにくくなってしまうのです。
「入れ歯にすると食事を楽しめない」という話をよく聞くのは、レジン床義歯の欠点が多くの人に知られていることが原因と考えられます。
それは誤解で、入れ歯の素材を変えるだけで食事を楽しめるようになるのです。
金属床義歯のメリットとデメリット
入れ歯が必要になった時、保険診療で作れる安価なレジン床義歯と、自由診療になるため費用が高くなる金属床の義歯のどちらを
作るか悩む人もいるでしょう。
結論を出すためには金属床義歯のメリットとデメリットを知る必要があります。
金属床義歯のメリットは下記のとおりです。
食事を楽しめる
違和感が少ない
耐久性が高い
前述したとおり、金属床義歯は熱を伝えやすいため、レジン床義歯に比べて食事を楽しむことができます。
また、薄く作製できるので、装着した時や会話をした時の違和感が少ないのもメリットです。
金属で作製するため、丈夫で壊れにくく耐久性もあります。
一方、金属床義歯には下記のデメリットがあります。
金属アレルギーが出る可能性がある
壊れた際の補修が困難
レジン床義歯よりも高価
金属床義歯に使用する金属の種類は金やチタン、コバルトクロムやパラジウム合金などです。
いずれも生体親和性が高い金属ですが、コバルトクロムやパラジウム合金は金属アレルギーが出る可能性があるため注意が必要です。
金属アレルギーの方は歯科医師に申告し、アレルギー検査をしましょう。
また、金属床義歯は金属なので、壊れた場合の補修が難しいことが欠点です。
壊れた際は、一から作り直す可能性が高いことに留意しましょう。
また、金属床義歯は自由診療であるため、保険診療のレジン床義歯よりも高額になります。
経済的負担が大きくなることも、金属床義歯のデメリットといえるでしょう。
まとめ
金属床義歯は、レジン床義歯よりも丈夫で快適に使用できます。
熱が伝わりやすく、熱いものは熱く冷たいものは冷たく感じることができるので、食事を楽しめるでしょう。
ただし、金属床義歯は人によって金属アレルギーが出る可能性があります。
自由診療であるため、治療費が高価になってしまうことも欠点です。
メリットとデメリットを把握したうえで、入れ歯を金属床義歯にするかどうか決めましょう。