天然歯とは、文字通り人の力が加わっていない自然のままの歯、つまり自分の歯のことです。
天然歯を失ったとしても、入れ歯やインプラントなど代わりになる人工歯はありますが、いずれも天然歯に勝るものではありません。
天然歯のどのような点が人工歯よりも勝っているのでしょうか?
天然歯の特徴について、解説します。
天然歯とは?
天然歯とは、エナメル質とその内側の象牙質、さらに内側の歯髄という3つの組織で構成されたもので、先端には根があります。
天然歯の特徴について具体的に解説します。
歯根膜がある
天然歯には、骨と歯の間に約0.2ミリの薄い歯根膜というものがあります。
歯周靭帯とも呼ばれている繊維性結合組織で、この組織によって歯は簡単には抜けないようになっているのです。
歯根膜には、ものを噛んだときの衝撃を吸収し直接歯槽骨に伝わらないようにする大切な役割もあります。
歯には食事のたびに噛む力加わっていて、歯根膜が噛んだときの衝撃を吸収しているのです。
他にも歯根膜には、噛み応えを感じるという役割もあります。
歯根膜のおかげで、無意識のうちに硬いものはしっかりと噛み、柔らかいものは弱く噛むことができているのです。
天然歯を失い総入れ歯になった場合、歯根膜が働かなくなるため、噛みしめる感覚を楽しむことができなくなります。
血液が供給されている
天然歯には、歯槽骨と歯肉、歯根膜の3つから血液が供給されているため、歯の周囲には血液内に含まれる細菌と戦う好中球が存在しています。
歯と歯茎の間にある歯周ポケットに細菌が入り込んだだとしても、細菌を排除するという働きをします。
人工歯の場合、供給される血液は天然歯よりも少ないです。
そのため、細菌と戦う好中球も当然少なく炎症などのリスクが高くなります。
人の身体において「血がきちんと送られること」は、非常に重要なことなのです。
どれだけ良質な人工歯であっても、天然歯には勝てません。
天然歯を守るためにも、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けましょう。
まとめ
天然歯は、エナメル質とその内側の象牙質、さらに内側の歯髄という3つの組織で構成され、先端に根があります。
天然歯には骨と歯の間に歯根膜があり、さまざまな役割を担っています。
また、血液が供給されているため、歯と歯茎の間に細菌が入り込んだだとしても、細菌を排除するという働きをします。
天然歯を守るためにも、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けましょう。