歯周病が重症化すると、歯を支える骨や歯茎といった歯周組織が破壊されてしまい、歯が抜ける原因になります。
一度破壊された歯周組織が自然に元に戻ることはないため、治療を行って組織を再生させなくてはいけません。
今回は、歯周組織を再生させる治療であるエムドゲインについて、解説します。
エムドゲインとは
エムドゲインとは、歯周病で破壊された歯茎や歯を支える歯槽骨、歯根膜などの歯周組織を再生させる治療の1つで、歯周ポケットの深さが6mm以上の場合に用いられます。
患部にエムドゲイン・ゲルという薬を注入するだけで、破壊された歯周組織に本来備わっている再生能力を発揮させる治療です。
エムドゲインのメリットは、適切なブラッシングが行えるため歯垢や歯石が溜まりにくい状態をつくることができるという点です。
これにより、歯周病の進行や再発のリスクを低減できます。
また、エムドゲイン・ゲルには歯茎を引き締める効果もあることから、見た目の問題も改善されるのです。
エムドゲインの流れ
エムドゲインは下記の流れで行われます。
1. 局所麻酔をかけ、治療箇所の歯茎を切開
2. 歯の根元の部分に付着した歯垢や歯石を徹底的に清掃
3. エムドゲイン・ゲルを注入
4. 切開した歯茎を縫合
歯周組織を再生させるのには、数ヶ月から1年、もしくはそれ以上かかるケースもあります。
術後は清潔に保たなければいけませんが、患部に刺激を与えると歯周組織再生の妨げになるため、注意が必要です。
ブラッシングをするときには、患部に直接歯ブラシをあてないようにしましょう。
直接磨くことはできないため、術後一定期間は歯科医院で口内の清掃をしてもらう必要があります。
エムドゲインの注意点
エムドゲイン治療を行うことになった原因は、歯周病です。
エムドゲインを受けて治療が完了したと思い、以前と変わらない生活を続けていると元に戻ってしまうかもしれません。
定期的に歯科医院でメンテナンスを受けて、健康な状態を維持しましょう。
エムドゲインは外科的治療であるため、重度の糖尿病や骨粗しょう症の方、喫煙者は、治療が受けられません。
また、妊娠している方や18歳未満の方も同様に受けることはできないのです。
まとめ
エムドゲインは歯周組織を再生させる治療の1つで、歯周ポケットの深さが6mm以上で用いられます。
適切なブラッシングが行えるので歯垢や歯石が溜まりにくい状態をつくることができ、歯周病の進行や再発のリスクを低減できるのです。
局所麻酔をかけて外科的治療を行うため痛みはありませんが、糖尿病や骨粗しょう症の方は受けられません。