歯を白くする施術であるホワイトニングで使用する薬剤の主成分が、過酸化水素です。
過酸化水素がどのようなものか知らない人も多いでしょう。
過酸化水素はどのように歯を白くする成分なのでしょうか?
過酸化水素の効果について解説します。
過酸化水素とは?
水は日常で目にするものであり、化学式がH2Oであることを知っている人は多いでしょう。
水に酸素をさらに加えると過酸化水素と呼ばれるものになり、化学式はH2O2となります。
過酸化水素という名前を聞いても「知らない」「聞いたことがない」という人もいるかもしれません。
しかし、オキシドールであれば聞いたことがある人は多いでしょう。
オキシドールは医療に用いられる過酸化水素の一種です。
実は、過酸化水素がホワイトニングに使用されるきっかけとなったのが、オキシドールなのです。
かつて歯周病を治療するためオキシドールを歯茎に塗っていたところ、誤って歯に付着して白くなるということがありました。
歯を白くする効果があると発見されたことで、ホワイトニングの施術に用いられるようになったのです。
なぜ歯が白くなるのか
過酸化水素は歯に付着することで歯を白くする効果がありますが、そのメカニズムはいったいどのようなものなのでしょうか?
過酸化水素はカタラーゼという酵素によって分解されます。
知らない人も多いと考えられますが、ほとんどの人は生体内にカタラーゼを持っています。
カタラーゼに触れることで過酸化水素が分解され、大量の酸素が生まれて消毒されるという働きがあるのですが、同時にフリーラジカルという分子、原子も発生します。
フリーラジカルの持つ酸化力によって細菌の構成成分を変え、漂白作用や脱臭作用を発揮して歯を白くするのです。
有機性の着色物質を分解する働きがあるため、歯に付着している汚れを落として漂白していきます。
フリーラジカルは歯を構成している物質の隙間を通って奥まで浸透することができるため、象牙質も白くすることができるのです。
まとめ
過酸化水素とは水に酸素を加えたもので、医療においてはオキシドールという消毒薬として使われています。
かつて歯茎の消毒に使われていたオキシドールが歯に付着してしまったとき、歯が白くなったことからホワイトニングで用いられるようになったのです。
カタラーゼによって分解された時に発生するフリーラジカルが、歯の着色成分を分解して歯を漂白するという効果をもたらしています。