入れ歯は一度作製したらすべて終わりではありません。
作製後も、定期的に歯科クリニックで調整を行い、使い心地の良さを維持する必要があります。
また調整の頻度や内容、費用相場などについて、把握していないという方も多いでしょう。
今回はこれらの内容について解説します。
入れ歯の調整における頻度は?
入れ歯の調整は、1ヶ月に1回程度は行わなければいけないとされています。
そうしなければ、長く同じ入れ歯を使用し続けることはできません。
またこちらは入れ歯を使い始めたばかりの方だけでなく、ある程度入れ歯に慣れた方にも言えることです。
つまり、慣れたからといって調整しなくても良いわけではないということです。
ちなみに調整をせずに入れ歯が合わなくなると、痛みだけでなく不適合が起こってしまい、不快感は強くなります。
入れ歯の調整では何をする?
入れ歯の調整では、噛み合わせや入れ歯の床部分、バネや内面の調整を行います。
噛み合わせについては咬合紙と呼ばれる検査用の紙を噛んで、入れ歯にインクが付く場所を確認した上で整えます。
また床部分は、歯茎と同じピンク色をしたレジンを補填し、現在の顎の形に合わせるリベースという作業が行われます。
さらに部分入れ歯の場合は、隣り合う歯にかけるクラスプ(金具)などを調整することで、装着当初のような動きづらい状態に戻すことが可能です。
ちなみに内面調整が必要な場合は、リライニングという入れ歯の内面の張り替えが行われることもあります。
入れ歯の調整の費用相場は?
入れ歯の調整費用は、保険診療の3割負担の場合でおよそ2,000~5,000円ほどかかります。
こちらは噛み合わせを調整したり、入れ歯を削って痛みを取り除いたりする治療が対象です。
また自由診療の入れ歯では、特殊な素材が使用されていたり、調整するために特別な装置が必要になったりすることも考えられます。
そのため、調整費用が比較的高くなることがありますが、当然数万円に及ぶことはありません。
ただし、自由診療の入れ歯を一からつくり直さなければいけない場合は、15~50万円前後の高額な費用がかかることがあります。
まとめ
一度失った天然歯は、残念ながら二度と元に戻ることがありません。
そのため、他の治療を受けない限り、入れ歯は一生涯使用していくものになります。
また自由診療の入れ歯などは、天然歯に近い機能性を発揮してくれますが、それでも人工歯であることに変わりはありません。
そのため保険診療、自由診療にかかわらず、入れ歯は常に調整をしなければいけないものと考えておきましょう。