虫歯の治療で重要なのは、感染している部分を残さず除去することであり、少しでも残ると虫歯が再発します。
ただし、余分に削り過ぎると歯にダメージを与えてしまいます。
感染部を正確に見極めるために役立つのが、う蝕検知液です。
う蝕検知液がどのようなものか、解説します。
う蝕検知液とは?
虫歯は、原因菌と呼ばれる細菌による細菌感染症です。
虫歯の原因菌は、食べ物のかけらなどの汚れが多い歯に付着します。
そして、歯垢や歯石などの内部で増殖し、歯に感染していきます。
虫歯に感染した部分は、基本的に黒っぽくなるため、前歯など見えやすい場所の場合は、鏡の前で口を開けたらすぐに分かるでしょう。
しかし、感染している部分は必ず黒くなるというわけではなく、白いままの虫歯もあるのです。
虫歯の治療では、感染している部分を残さず削り取らなければなりません。
感染部分が残っていると、虫歯の原因菌がまた増えて虫歯が再発してしまうためです。
感染部分を残さず削るために便利なのが、う蝕検知液です。
う蝕検知液は、歯の中で細菌に感染している、つまり、削る必要がある部分が赤く染まります。
虫歯に感染している部分を視覚化することで、削る量を最小限に抑えられるのです。
う蝕検知液を使用するメリット
う蝕検知液を使用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
う蝕検知液を使用せずに虫歯治療をする場合、取り残しがあるかないかは医師によって判断基準が異なります。
たとえば、歯科医師Aの場合は、治療を受けるたびに取り残しがあっていつまでも虫歯が治らないかもしれません。
一方、歯科医師Bは「削り残しがないように」と余分に削ることが多く、歯の寿命が短くなる恐れがあります。
う蝕検知液は、このように医師によってまちまちな削る場所の判断を、均一にできる点がメリットです。
100%正確なガイドというわけではありませんが、削る場所を判断する参考になり、削りすぎを防止できます。
なお、以前からあるう蝕検知液は染める力が強く、削る必要がないところまで染色されることがありました。
現在使われているう蝕検知液は、不要なところを染色しないため、削るべき部分がはっきりとわかりやすくなりました。
まとめ
う蝕検知液は、歯科医師が見て判断する感染部分を明確にさせるために使用されるもので、細菌に感染した部分を染色することで削る場所を判断する際の参考にできます。
今までは医師によって削りすぎたり取りこぼしがあったりした削る範囲が、一定の基準をもって判断できるようになったのです。
削る量が少ないと再感染のリスクが高くなってしまい、削りすぎると歯の寿命を短くするため、基準は非常に重要となるのです。