オールセラミックはすべてセラミックでできた素材であり、数あるセラミック素材の中でも審美性に優れています。
また特筆すべきは、その美しさを長期間にわたってキープしやすいという点ですが、オールセラミックでも汚れてしまうことはあるのでしょうか?
今回はこちらの点について解説します。
二次虫歯によって見た目が悪くなることがある
オールセラミックの詰め物や被せ物自体は、装着から時間が経過してもほとんど変色が見られません。
しかし合着するためのセメントが劣化し、二次虫歯を発症した場合、治療箇所の見た目は悪くなる可能性があります。
セメントが劣化すると、オールセラミックと天然歯の間に隙間ができます。
そこから虫歯菌が侵入すると、二次虫歯を引き起こしてしまいます。
オールセラミックは、金属の補綴物に比べて二次虫歯のリスクが極端に低いですが、発症すると歯茎などの色は悪くなることがあります。
飲食物の影響を受けることも
いくら変色しにくいオールセラミックとは言っても、毎日のように着色しやすいものばかり食べていると、黄ばんでしまう可能性は高まります。
例えばケチャップやカレー、ソースなどを口にする機会が多い方は、少しずつオールセラミックの色味を濁らせてしまう可能性が高いです。
またポリフェノールが含まれるコーヒー、ワインなどの飲み物も、オールセラミックを汚してしまう原因になります。
ちなみに飲食物ではありませんが、喫煙も汚れ安くなる原因の一つです。
タバコに含まれるヤニがセラミックに蓄積すると、ブラッシングでは簡単に落とせなくなります。
歯茎が後退することでも色味は悪くなる
歯茎が下がる現象を歯肉退縮といいますが、こちらもオールセラミックを汚れやすくする原因として挙げられます。
歯肉退縮は、歯周病を発症したときや、単純に年齢を重ねたときに起こる口内トラブルです。
また歯茎が後退すると、オールセラミックと歯の間に隙間ができやすくなり、食べカスや細菌が溜まりやすくなります。
オールセラミックは基本的に汚れが付きにくいですが、このような状況ではオールセラミックと歯の間に変色が見られやすくなります。
まとめ
オールセラミックは自由診療の補綴物であり、機能性の高さから患者さんに選ばれるケースも多いです。
また汚れが付きにくいことも事実ですが、一切汚れないというわけではないため、注意してください。
もちろん患者さん自身がセルフケアを徹底し、歯科クリニックの定期検診にも欠かさず通っていれば、見た目が悪くなるリスクは大幅に減少します。