歯科医院では、絶対に必要な機器がいくつかあります。
たとえば、滅菌器も欠かすことができない機器の一つです。
滅菌器がどのような役割を持っているのかについて、知らない人も多いでしょう。
今回は、滅菌機における滅菌の意味と、クラスB 滅菌器の役割を解説します。
滅菌とは?
近年、消毒や除菌に対する注目度が非常に高まっています。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、店舗の入り口に消毒液が置かれるようになるなど、以前と比較すると格段に消毒や除菌に対する意識が高まりました。
新型コロナウイルスが5類感染症に移行した現在も消毒や除菌に対する意識は高く、消毒液が置かれたままの店舗が多数あります。
除菌や消毒は同じような意味合いなのではないかと思う人もいるかもしれません。
実は、除菌と消毒は別の意味で使われています。
また、除菌や消毒以外に、殺菌や滅菌という言葉もあるのです。
除菌は微生物をただ減少させることを指し、消毒は病原性がある微生物を害がないようにすることを指します。
したがって、感染症対策としては消毒が最低ラインでしょう。
殺菌は特定の細菌を殺すことをいい、滅菌とは細菌を全て死滅させることをいいます。
つまり、滅菌が最も強い細菌を殺す方法です。
また、滅菌を行う滅菌器にもクラスがあります。
クラスBと聞くと上にAがあるかと思われますが、実は下からクラスN、クラスS、クラスBの3段階になっているため、最も強力なのがクラスBです。
クラスBとは、機器の内部を真空にすることができる滅菌器で、様々な道具に高温蒸気を送り込んで滅菌を行います。
クラスNも高温蒸気を発生させますが、真空状態にはできない点が違いです。
滅菌器の役割
感染予防には、スタンダードプリコーションという予防策があります。
スタンダードプリコーションとは、感染の有無に関わらず、血液や体液、分泌物などの湿性生体物質には感染リスクがあると考える感染予防策です。
歯科医院でも、感染しているかどうかで対応を変えるのではなく、すべての人が感染していることを前提として滅菌を行う必要があります。
滅菌は、滅菌器が持つ最も重要な役割です。
滅菌器は、西欧やシンガポール、お隣の韓国ではほぼ100%導入されていますが、日本ではわずか2~4%ほどといわれています。
感染を避けたいのであれば、滅菌機を導入している歯科医院を選んだ方がいいでしょう。
まとめ
滅菌器とは、消毒や殺菌よりもさらに強力な方法で、すべての細菌を滅することをいいます。
滅菌器には3つのクラスがあり、クラスBは最も強力に滅菌できるクラスです。
滅菌器は、すべての人が感染していると考えるスタンダードプリコーションに基づいて多くの歯科医院で導入するべきという考え方もありますが、実際の普及率は国内で2~4%しかありません。