歯科医院で治療に使用する機器の中に、マイクロスコープがあります。
マイクロスコープとは、どのような時に使用される機器なのでしょうか?
また、マイクロスコープを使用するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
マイクロスコープの役割と、治療に使用するメリットについて解説します。
マイクロスコープの役割
歯のサイズは小さいため、治療の際は、細かい作業が必要になります。
虫歯になったからと歯を抜くのではなく、虫歯になったところを削って健康な歯を残さなければなりません。
できるだけ歯を残すことを目的としているため、歯科治療は繊細さが要求されるのです。
虫歯に感染している部分は残さず削り取らなければなりませんが、健康な部分と感染部分の境目の見極めはかなり困難です。
細かい見極めが必要な時に使用する機器が、マイクロスコープです。
マイクロスコープは、肉眼と比較して4倍から20倍の倍率で拡大して視認することができる機器で、肉眼では見えない部分まで確認できます。
従来は経験と勘に頼る部分も多かった虫歯治療が、マイクロスコープによって、きちんと目で見て判断できるようになります。
日本の施設では、マイクロスコープの普及率がまだ3%ほどしかないため、行きつけの歯科医院に導入されていないケースも多いでしょう。
マイクロスコープがない場合は、扱っている歯科医院を探して通うという選択肢もあります。
マイクロスコープを使用することで、虫歯に感染している部分と健康な部分との境目がはっきりと見えるため、削りすぎることがありません。
必要な部分のみしっかりと削ることができれば、再治療のリスクも低くなり、治療後の歯の健康も維持されます。
マイクロスコープのメリットは?
マイクロスコープ導入のメリットを享受できるのは、治療を受ける患者様です。
自身の虫歯を残さず除去できるので、治療した箇所が再び虫歯になる可能性が少なくなります。
マイクロスコープでは、4倍から20倍の倍率で見ることができますが、縦横とも4倍から20倍になるため、情報量としては16倍から400倍になります。
非常に大きく拡大できるため、肉眼では気づかなかった異常を発見できるかもしれません。
また、マイクロスコープの尖端には、ライトがつけられています。
ライトを使用することで、歯の奥の部分までしっかりと確認できます。
ライトに関しては、主に根管治療におけるメリットが大きいでしょう。
まとめ
歯科の治療は非常に繊細ですが、はっきりと見えない場合は経験と勘に頼って治療することになります。
しかし、マイクロスコープを使用することで高倍率に拡大できるため、肉眼では判断が難しい患部もしっかりと見ることが可能です。
また、ライトがついているので、歯の奥までしっかりと見通すことができるでしょう。
根管治療を受ける場合は、マイクロスコープを扱っている歯科医院がおすすめです。